たとえフルオーダーメイドで依頼して頂き、出来上がったものだとしても、お届けする製品は残念ながら“未完成”です。
実は、私達職人が関わらさせて頂くのは、お客様のアイデアを汲み取り、カタチにするまでのお手伝いやメンテナンスといった部分のみ。
革との関わりとしては、ほんの10%といった所です。つまり、残りの90%はお客様に使っていただく“時間”によって少しずつ仕上げられるのです。
革製品は、手で触れ、使われてあなたの毎日に自然ととけ込んでいく事で、初めて生きてきます。
表面は使い込むほどに色味が変化し、同じ革を使用しているとは思えない程一つ一つ違った“味”が出てきます。
固さも使い始めは、少し固いかな?と感じるかもしれませんが、使う度に徐々にしなやかになり、手に馴染んでいのくのが実感出来ます。
昨今、ほとんどの商品、革製品の中でもブランドもののバッグや小物は、流行やトレンドというものに左右され、新品の状態がもっとも素晴らしいと され、使う程、年月を追うごとに価値や愛着というものはどんどん下がっていってしまうものが多い気がします。しかし、サードが取り扱う本革の 製品は、それらとは全く逆のものとなります。
本革の製品は使えば使うほどにその価値を増し、流行に左右されない独特の雰囲気、風合いを醸し出してくるのです。
ついたキズや汚れも、その製品とお客様が共に過ごした思い出の一部となることでしょう。愛着の湧く、貴方のパートナーとなっているハズです。
革製品の魅力の一つである、経年変化。
タン(左上)は色の変化が顕著に出ることで有名ですが、その他の革も
どんどん味のある色に変化していきます。
カタチやサイズを自分好みにオーダーするだけでなく、
革のお手入れ方法や革それぞれの経年変化の特徴まで知った上で
製品を作られても面白いかもしれません。